スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

済州4・3をめぐる読書

済州4・3事件にまつわる本を読んできたので、まとめて記録。

はじまりは、チェッコリで金石範先生にお会いしたこと。
ご挨拶したものの作品をひとつも読んだことがなかったので、これを機に読もうと思い、スンボクさんにおすすめを聞きました。

すすめてもらい読んだのが『満月』。

大阪に暮らす済州島出身の男を主人公とした小説です。
男の母親は4・3事件のときに滝で銃殺されていて、大阪で毎年祭祀が行われている。
4・3の遺族たちを中心にした作品でした。



その後、チェッコリにクォン・ユンドクさんの新作絵本『나무도장』が入ってきました。
やはり済州4・3を題材とした作品で、物語の前後に歴史の解説もついています。
島の人を撃ち殺した側の警察が、その銃殺現場で生き残った赤ちゃんを育て、そのことを小学生になったその子に告げるという内容。

チェッコリでこの絵本をテーマにしたイベントを企画することになり、『나무도장』の日本語訳を作りました。

art_1459658478.jpg

今度は、この絵本を「済州島四・三事件を考える会」の記念行事で販売することになり、4月に記念行事に参加しました。
その行事で心に残ったのは、だれが悪者でだれが犠牲者だということよりも、島の狭いコミュニティで起きてしまった悲劇をどう乗り越えるか、どう許して関係を再生させるかという前向きな姿勢が示されていたこと。
済州島の歌や踊りにも触れて、自分のなかでもこのテーマに取り組む意味のようなものが少し見えた日でした。
この日、『나무도장』の絵本と日本語訳を金石範先生にもお渡ししました。

5月には、一橋大学で金石範先生が講演をするというので聞きにいきました。
金石範先生が「日本語訳よかったよ」と声をかけてくださって感動しました。
講演で、先生の大作『火山島』のもととなった「鴉の死」という作品への思い入れを聞き、これは読まなくてはと思いさっそく読みました。
「鴉の死」は、4・3事件真っ只中の済州島を舞台とした小説です。権力側につき、島の人たちを殺す側に立ってしまった男の苦しみにぞっとしました。



講演の後、金石範先生を囲んでお茶をして、そのときに一橋大学大学院のイ・ヨンスクゼミの方から
金時鐘さんとの対談を読んだほうがいいと教えてもらったので、それも合わせて読みました。
4・3について書き続けてきた作家(金石範先生)と、沈黙してきた作家(金時鐘)の対談。どちらも壮絶な人生です。



「鴉の死」と対談を読んだあと、『나무도장』の訳を考え直しました。

そして、6月26日に、『나무도장』の作者クォン・ユンドクさんをお招きして、チェッコリでイベントを開催しました。
「済州島四・三事件を考える会」の方々や金石範先生も来てくださって、歴史と平和について考えるいいイベントになりました。


その次は、対談の聞き役として本をまとめた文京洙さんが、2015年に新しく『新・韓国現代史』を出していたので、それを読みました。



そのまた次に、金時鐘さんの人生をモデルとした梁石日さんの小説『大いなる時を求めて』をともよんださんにお借りして読みました。
対談で語っていた内容と重なる部分も多くて、金時鐘という詩人が急に自分に迫ってきた気がしました。
岩波ブックセンターに行って、金時鐘さんの他の本も買ってきました。



本が本を呼んで、つながっていく読書。こういう読み方が今はおもしろく感じます。
つづきはまたこんど。
スポンサーサイト
  1. 2016/07/23(土) 11:27:41|
  2. ●韓国にまつわる読書記録
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。